書評 – イノベーションの再現性を高める新規事業開発マネジメント

はじめに

会社で新規事業のPOを担当しているのですが、1年経って、今までのやり方が正しかったのか、次はどのようなことにトライしていくかについて考える上で、紹介された新規事業に関する本を読んでみることにしました。

目次

  • なぜ今、新規事業やイノベーションが必要なのか
  • 新規事業開発はなぜうまくいかないのか
  • いかにしてビジョンを描き、新規事業開発の方針や戦略を策定するか
  • 良質な新規事業への挑戦を量産できる組織を作る
  • 不確実性をコントロールする新規事業開発プロセスとマネジメントとは
  • 新規事業を構造的にグロースさせるための理論と実行
  • 先進的企業の「イノベーション・エコシステム」と「インキュベーションの民主化」が創る日本経済の未来

結論

  • 大企業で新規事業を担当する方におすすめの本
  • 新規事業は往々にして短期で上手くいかないし、上手くいかなかったことで担当者が離れてしまうのは大きな機会損失。それに仕組みでどう向き合うべきか?がまなべる本
  • 担当者と、その上司に読んでもらって、一緒にイノベーション・エコシステムをつくる方法について話せば、前向きに新規事業に取り組めると思う

やってみたこと

まず、本を読んで自分は何を得たいのか?を言語化してみました

  • どうしたら、私が今担当するプロダクトのPOとして、右往左往し前進しない状況を打開できるのか
    • 何を持って、チームとして、前進していると認知を揃えられるのか

その上で、読む前に内容を想像してみることにしました。

  • なぜ今、新規事業やイノベーションが必要なのか
    • 日本はこのままでは成長が停滞する
    • 潜在的に新規事業やイノベーションの素養はあり、仕組みを変えればワークする
  • 新規事業開発はなぜうまくいかないのか
    • 失敗のマネジメントができていないゆえに、漸進性を担保できていない
      • 撤退ラインを決める
  • いかにしてビジョンを描き、新規事業開発の方針や戦略を策定するか
    • 不確実性が高く、短期での成果が出にくい新規事業開発について、いかに中長期目線で辛抱強く取り組むか
      • 短期で1サイクルのみで終了ではなく、中長期で3-5サイクルなど、中長期で目指したい目標を立てる
      • 広い時間軸の中で、複数回トライ&エラーを繰り返す前提の計画を立てる
    • きちんと資源を新規開発に集中させる
  • 良質な新規事業への挑戦を量産できる組織を作る
    • イノベーター人材を発掘・活躍させる
    • 次の挑戦をしやすくする
      • 撤退基準の明確化
      • 得られた知見を、個人やPJTではなく、組織として蓄積する
        • 特に、失敗を個人の問題に矮小化しない
  • 不確実性をコントロールする新規事業開発プロセスとマネジメントとは
    • 致命傷となる落とし穴を避ける
    • 過剰に構想段階で投資しない
  • 新規事業を構造的にグロースさせるための理論と実行
    • 一口に「成功」「失敗」や「投資金額の120%回収」などと総括するのではなく、フェーズに分けて評価する
  • 先進的企業の「イノベーション・エコシステム」と「インキュベーションの民主化」が創る日本経済の未来
    • 仮に新規事業に失敗しても、そこで得た知見や経験を元に、質を高めて再挑戦する。そして継続的に新規事業の想像・人材成長が促されるエコシステムが、イノベーションエコシステムである

実際に読んでみて、印象に残った点

  • スタートアップで流行する手法(リーンスタートアップやオープンイノベーションなど)をそのまま大企業に持ち込んでも上手くいかない
    • 大企業ならば、既存事業の資産やブランドなどの経営資源を活かさないのはもったいない。スタートアップのマネをしすぎて既存リソースを活用できないことは避けるべき。
  • 5章の事業構想フェーズで、解くべき課題をどう見極めるかが記述されているが、なんとここに60ページも割かれている。
  • 失敗の蓄積を組織の力に変えるには、個別の案件を組織学習に昇華させる必要がある。ゆえに、失敗後にメンバーを配置転換したり、キーマンが離職してしまうと社内にイノベーションの文化が育たない

実際に読んでみて、学びがあった点

  • 3つのフェーズ、7つの検証項目、10つのプロセス
    • ヌケモレなくアイディエーション→事業化→グロースまでを抜け漏れなく検討できる
  • 失敗要因の整理と対策
    • 企業内新規事業が上手くいかない3つの理由
      • ビジョンや方針・戦略がない
      • 良質な多産多死が実現できる組織になっていない
      • 事業の不確実性に応じた開発プロセスを実行していない

もうちょっと知りたかった点

  • 具体的な事例を知れるとよかったかも

おわりに

新規事業やっててちょっと心折れかけてたけど、もう一回立て直して、中長期目標をちゃんと上司とすり合わせたい

投稿者: hirobel

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